ももいろタイム【完】
第13章 私の世界
結局、何も分からず日々が過ぎる。
ここに来てから、どれくらい日が過ぎたのか、聞いても答えてくれない。
私に分かるのは、タカさんの肌の温もりと彼が私を大事にしてくれてること。
でも、不安が渦巻く私は、食欲が落ちて来た。
「千速?食べて」
「もういらない」
「食べないと持たないよ」
「ごめんなさい。食べられないの」
「そう………」
思案気味に返事を返す彼。
「お腹が減ったら言って」
彼は食器を片付けに行った。
あれから暫くして、逃げないことが分かると手の戒めを取ってくれた。
でも、彼の訪れた音がすると目隠しをすることになっている。
だから、彼の顔はまだ知らない。
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