ももいろタイム【完】
第14章 俺の彼女
少しずつ伸びていた背が、5年生くらいから急に伸び始めた。
6年生には165cm、すっかり梓を見下ろす高さだ。梓と歩いていると、必ず歳上に見られた。
俺は嬉しいが、梓は面白くないみたいだ。
梓が高校入学して直ぐのこと。
かなりしつこく迫って来た奴がいた。梓に聞き俺は焦った。
「梓、付き合う気があるのか?」
「ううん、好きじゃないから付き合わない」
「そっか。梓は好きな奴出来たのか?」
ちょっと安心して、更に気になったことを聞いた。
「………うん」
真っ赤なって、恥ずかしそうに頷く梓に、俺は呆然としてしまった。
「優(すぐる)?どうかした?」
「いや………」
「優?」
「梓、俺。………梓が好きだ。他の
奴じゃなく、俺を選んで」
.