Take me
第11章 11
瑛士と別れて家の中へ入ると、珍しくお父さんが待っていた。
「ただいま…どう、したんですか…」
前まではこれぐらい普通に話せていたのに、今では恐怖からか自然と敬語になってしまう。
「お前…授業に参加してないそうだな?」
ばれてしまった。
「いや、あの…それは……違うんだよ…」
「何が違うって言うんだ!!!馬鹿野郎が!!!!」
思い切りビンタされたかと思うと腹を蹴られる。
「ううっ……っあはひ…っ」
あまりに唐突な攻撃に一瞬呼吸困難になる。
蹲っては、空気を欲する口は塞がらず涎が垂れる。
「汚い!!!!汚い!!!お前は心までもが汚れてるんだよ!!!!醜い感情を持ちやがって…」
「誰が授業料を払ってやってると思ってるのよ…!?」
奥からお母さんが出て来て、俺の姿を見てはお金の話を口にする。
「お前なんか…この家庭に要らない存在なんだよ…!」
お父さんが廊下にあった花瓶を手に持った。
あ、俺死ぬのかな
そうは思ったが本能的に自分の身を守ろうと、咄嗟にお父さんの足を思い切り掴んだ。