Take me
第11章 11
えっと、今日は金曜日だから
「じゃあ、土日だけ…」
お兄ちゃんは少し驚いた顔をした。
「ひーくん、あの家に戻りたいの?」
「ううん、そうじゃないよ…
え、瑛士の家にお世話になろうと思って」
戻りたいなんて微塵足りとも思わない
思い出しただけでも指先が震え出すのに
「…そっか、瑛士くんは良いって言ってくれたのかい?」
「いや、まだ聞いてないけど、月曜日に学校で言ってみる」
そういえば、瑛士に助けを求めてから一度も連絡が来てない
俺からするべきなんだろうけど、本当にそれどころじゃなかったから。
瑛士、心配してるかな…
「瑛士くんのことなら大丈夫。僕が連絡しておいたよ」
「あ、ありがとう」
俺は考えていることが顔に出てしまうのだろうか