Take me
第12章 12
土曜日の朝から電話の鳴る音
寝ぼけていた俺にはあまり聞き取れなかったけど、誰かと揉めているようなお兄ちゃんの声が聞こえた。
きっと、お母さんかお父さんだろう。
このタイミングで口論する相手なんてあの二人しかいないんだ。
ガチャ
「…ん、お兄ちゃん?」
「ひーくん、ごめんね起こしちゃったかな?」
「ううん、大丈夫」
そうは答えるが、まだ目が覚め切っていない俺の頭を撫でる。
お兄ちゃんはよく頭を撫でるなぁ
きっと癖なんだろうね。
「お前をあの場所に帰したり絶対にしないから。
僕が守るからね。」
そういうことは、僕が完全に寝たのを確認してから言ってよね。
涙、我慢するの大変なんだよ。