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Take me

第12章 12



舞香さんのロールキャベツを食べて、今日は早めにお風呂に入る。


「痛……」


やはり傷には染みて、
全身のあらゆるところが痛み出す。


でも昨日は入れなかったし、血もついてるから落とさなきゃ…


「千晃さん…だめですよ」
「少しくらい良いでしょ?」
「そういう問題じゃありません…」


え…

お風呂の外から聞こえる話し声。


「そうだね、紘夢がいるしね」
「紘夢くんがいなくてもだめです」



一気にお風呂に入ると水が溢れ出した。
痛みなんて無視して、二人の声を遮りたかった。


そうだよね。夫婦だもんね。

やっぱり俺は邪魔なんだよな
この家に居てはいけない存在


「ちゃんと、洗濯物は洗濯籠に入れて下さい!」
「紘夢への兄としての示しがつかなくなっちゃうしね」
「そうですよっ」


あ、洗濯物…

しっかり者のお兄ちゃんでも、昔から洗濯物をちゃんと片付けない一面があった。



「はぁ…」

早く、瑛士の家に行きたい
こんな思いばっかり、疲れる。

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