Take me
第12章 12
「ただいま!」
「お帰り〜、買い物して来たのかい?重かったでしょ
ほら、かして?」
「千晃さんありがとう。」
夕方頃になって舞香さんが帰って来た。
ヒールの高い靴にスーツ、なんだか主婦って感じがしない。
今も働き者って感じが滲み出ていた。
「千晃さん、今日は何が食べたいですか?」
「そうだなぁ…ロールキャベツとか久しぶりに食べたいかな」
「良いですね!そうしましょう」
でも、会話はやっぱり夫婦。
二人が結婚しているという事実を思い知らされる。
結婚していなかったらチャンスはある
そんな事少しだって思ったこと無かった
反対に、ばれちゃいけないって必死に隠してきた。
けれど、やっぱり結婚ていうのは特別な何かを感じさせる。
「お皿は確か…」
「あ、こらこら。そんな高い所危ないだろ?僕に任せて」
「すいません、ありがとうございます…」
「夫なんだしこれぐらい当たり前じゃない」
微笑み合う二人
お兄ちゃん、お兄ちゃん
俺は、舞香さんの立場より
貴方の笑顔が俺じゃない人に向いていること
それが悔しいよ。
昔は、俺が独り占めしていたのに