Take me
第12章 12
「瑛士くん、こんにちは」
「こんにちは」
「あの時の電話、ありがとう。
おかげで紘夢のこと、助けられた」
「俺は何もしてないですから」
相変わらず謙虚な瑛士。
「それじゃはい、ひーくん荷物」
助手席のドアを開けて、荷物を俺に手渡す。
「あ、ありが、と…」
「何その荷物?」
瑛士がコソコソと聞いてきた
「瑛士くん、本当に大丈夫なのかい?」
「…何がですか?」
「紘夢のこと置いてもらっても」
あーあ…
まだ言ってなかったのに。
瑛士がキョトンとした顔で俺を見つめる
うん、そうなるよね。