Take me
第13章 13
「何しに来たの?」
「お兄ちゃんにそんな言い方は無いだろ?」
口にする言葉とは裏腹に、お兄ちゃんの顔はいつもの優しさに溢れていた。
お兄ちゃんだからじゃん
お兄ちゃんだから来て欲しくないんじゃん。
「コーヒーです」
「ありがとう、これ僕からね。」
「あ、すいません…」
瑛士から飲み物を受け取ると、多分中身はケーキであろう白い箱をテーブルに置く。
「瑛士くんのご両親に挨拶しようと思って来たんだ。前も会えなかったから…今お留守なのかな?」
「お兄ちゃんっ」
その話は…
「紘夢、良いから。
俺の両親は海外で暮らしてるんです。」
海外?
そんな話初めて聞いた。