Take me
第14章 14
「お、上がったか」
「うん、瑛士次どうぞ」
どうぞなんて、まるで自分が準備したような言い方だけど、俺がご飯作ってる間に瑛士がお湯を入れてくれたのだ。
そういうの気が利くよな。
「あ、そういやさっき紘夢の携帯鳴ってたよ」
携帯が点滅している
メールだ。
「じゃ、入ってくるな」
「行ってらっしゃい」
誰だろう…
友達が多い訳じゃない俺は、普段誰かと連絡を取る事も少ない。
瑛士か、お兄ちゃんだけ。
けれどあの日から、お兄ちゃんからは何も届く事はなくなったし。
携帯を手に取り、メールボックスを開く。
「お兄ちゃん…」