Take me
第17章 17
「…む、紘夢」
「ん…」
起きたか?まるでそう言っているかのような瑛士の顔が、すぐ真横にあった。
「瑛士も…寝てたの?」
「いや、今起こしに来た。
お前、泣いてたから…」
"泣いていた"
一度も顔を見た事のないお母さんを夢見て、涙を流すなんて。
「紘夢、俺と付き合ってくれるのか?」
「うん。」
だって俺には、
「瑛士しかいないんだ。大好き」
「じゃあ、今日いい?」
そんな事、一度だって聞いてきたこと無かったくせに。
やっぱり俺がお兄ちゃんのこと好きなの、気にしてたのか?
瑛士、可愛い。
「いいよ、俺のこと抱いて…?」
「可愛いのはお前だ馬鹿」
俺の考えてること、ばれてたみたいだ。