Take me
第18章 18
朝、目覚めると自分の左手、薬指には綺麗に輝くリング。
「…ふっ」
その姿を見ただけで顔が綻んでしまう。
「…っ朝から随分ご機嫌なようで。」
「瑛士!起きたの?おはよう!」
ああ、これも久しぶりだ…。
思わず泣きそうになった。
今までの一人きりで寂しい朝を思い出してしまう。
「百面相だな。でも紘夢くんの可愛い泣き顔はもう十分だからさ。な?ほら」
俺を引き寄せる腕。
一瞬で瑛士に包まれる。
あったかい。
「ねぇ瑛士。バイトまだやるの?俺、やだ。」
もう瑛士の帰りを待ち侘びる日々は嫌だ。
一緒に同じこの家に帰って来たい。
「もう辞めてきた。そのリングの為だけだったし」
おでこに唇をくっつけながら喋るから、くすぐったくて笑った。