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Take me

第18章 18



瑛士が買って来てくれた材料で、夕飯を作りながらさっきの電話の事ばかり考えてる。

瑛士に伝えるべきか、どうか。


そんなの伝えるのが良いに決まってるんだけど、その言葉に縦に首を振る姿を瑛士を見たら…


「ねぇ、瑛士?」

「んー?」


ソファで携帯をいじりながら、反応する。


「瑛士はさぁ、海外の両親のところにさ、行きたいなって思わないの?」

「んー別に。」

案外あっさり返ってきた答えに安堵してしまう。


「向こうは俺を連れて行きたいらしいけど。話せばそればっかで喧嘩だし、携帯変えてから番号すら教えてねぇんだ俺」


同じこと言ってたな瑛士のお母さんも。


「駄目じゃん、親不孝者〜
お母さん、寂しい思いしてるかもよ?」



「まぁ、いつかは行ってやるかって思ってるけどなー」

「そっ……か。」



やっぱり。
やっぱりそうなんだ。

「連絡しないような馬鹿息子はもう知らないって言われたりして」

笑いながら言う瑛士
そんなことないよ、お母さん今も待ってるってさ。



なあ、瑛士のいう“いつか”っていつ来る?


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