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Take me

第7章 7

裾を掴みお願いする俺の手をふと、お兄ちゃんが取る。


「震えてる…寒い?」

違う、怖いんだ。

「ううん、大丈夫」

お兄ちゃん、怖いよ
あんな家に帰れないよ 帰りたくない


「もう少し暖房を強くしようか」


お兄ちゃんのお陰で体は汗をかきそうな程に熱いのに、
冷め切っている心までは届かないみたいだ。



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