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Take me

第9章 9


「とりあえず、お兄さんも紘夢もリビングでゆっくり話しません?」

「じゃあそうさせてもらおうかな。」


なんでこの二人はこんなに落ち着いているんだろう。


三人でリビングに向かうと、お兄ちゃんと俺は隣に座った。


「これ、コーヒーで大丈夫ですか?」
「あぁ、ありがとう瑛士くん。君は気が利くね。」

瑛士がお兄ちゃんにカップを手渡した。


「はいこれ、紘夢の」
「ココアじゃん」
「好きだろ?」
「どうせ子供ですよ〜」
「そんなこと言ってねーよ!」
「態度で言ってる!」
「意味わかんねぇよ!」


「ははっ」

お兄ちゃん…?

「何急に笑ってるの」
「どうしたんです?」


「二人ってば仲良いね
カップルの喧嘩を見てるみたいだよ」



笑いながら話すお兄ちゃんを他所に、俺たちは内心焦っている。


案外、勘が鋭いんだねお兄ちゃん。


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