
寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「……………そっか…」
あれ…?なんだこの胸の痛みは…。
俺にとって学校終わったあとに一緒に帰るのが一大イベントだとしても、亜紀乃にとってはそうじゃないかもしれないだなんて…そんなのは当たり前のことなのに…
全然大丈夫と言われて、どうしようもなく胸が痛む。
耐えきれなくて、去ろうとしたら、亜紀乃が俺のブレザーの裾を掴んでそれを阻んだ。
「あっ…あの…。全然私は平気だけど…」
もう…分かったって…
「その…どれくらいの期間…一緒に帰れない?」
大きな瞳で俺の事をじっと見つめている。
「……………再来週の日曜日に公式戦だから…」
「……2週間?」
