寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
あ…
亮だ…
亜紀乃の幼なじみである亮は、どこからともなく現れると、突然亜紀乃の頭を両手でわしゃわしゃと乱し始めた。
「ちょっ…何すんのよっ!」
俺といるときは出さない大きな声を出す亜紀乃は、仕返しとばかりに亮の髪をわしゃわしゃと触り始めた。
あれ…
その楽しそうな光景を見て、途端に胸にモヤが掛かったような感じがした。
ケラケラと楽しそうな笑い声が響く。
すごく…
嫌な気分だ…
だって…
亜紀乃は…俺の…
気付いたら、身体が二人の方に行っていた。
何がしたかったのか、よく分からないけど、身体が勝手に動いた。