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寡黙男子

第4章 二歩目を探る *学の世界*

亜紀乃の友だちの清水さんにそう言われて、また俺は自分を落ち着かせるように息を吸った。



「………………亮なら、大丈夫」



だって、


ただの幼馴染みだ…


亜紀乃の彼氏は…俺で…


亮じゃない…。



本当に…そうだよな…?




何だか訳分かんなくなってきた…。



その後の授業もよく頭が働かなくて、亜紀乃からもらったキーホルダーをずっと手でいじっていた。




あ…………




それが…


何か不吉なことを予言するかのように金具の所が取れてしまって、また胸がキュっと苦しくなった。



───────私は全然大丈夫っ…



「………………」




俺はそのキーホルダーをとりあえず机の中にしまうと、誰にもバレないような小さな溜め息をついた。







頭の整理がつかない…



そんなこんなで、俺は放課後、亜紀乃と目を合わせる事なく逃げるようにして部活にいった。





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