寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
けど…そんなことも言ってられない。
少し困った表情をみせる亜紀乃に、俺は戸惑いながら、手の力を緩めた。
「………取りに行ってくる」
「あっ…うんっ…」
ゆっくりと…
俺は、その手を離していった
けど…
「私も行くっ…!」
ギュッとその手を再び掴まれて、心臓が跳ねた。
何だろう…
この温もりが心地よくて…
くせになりそうだ。
さっきまでと同じように、胸が苦しいけど…
でも、今は全然嫌じゃない。
「……………うん」
ドキドキしてるのって…
俺だけ…なのかな…?