寡黙男子
第4章 二歩目を探る ＊学の世界＊
「まっ、学っ!?」
「……姉貴が…付き合ってる人の…愚痴をいうから…」
「うっうん…」
「我慢してたけど…」
どうしても亮が羨ましくて…
何で亮だけがって…
何で俺じゃないんだろうって…
「やっぱり苦しい…」
情けないな…
これで、嫌われるかもって思ったら、また不安になって、俺はより強く亜紀乃の事を抱き締めた。
「……苦しいけど…暗いから…」
「うん……」
ヤキモチなんか妬くよりも…
「…亜紀乃が安全に帰れるなら…」
って…自分に言い聞かせて…
「だけど……やっぱり…無理…」
言いたいことを言おう…
姉貴には悪いけど…
達也の言葉の方を信じてみようと思う…
もし嫌われても、後悔はしないと思う…
「亜紀乃……」
「なに…？」
ずっと言いたくて
でも言えなかったんだ…
「………………好き」
たったこの二文字が──
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