寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「……亜紀乃……好きだよ」
……届いたのかな…?
「うそっ…」
え…?
「……………いや…本当なんだけど…」
うそと言われて、ちょっとビックリしながら、俺はいつもでは考えられないほど饒舌になっていた。
「……なるべく我慢するけど…
やっぱり……亜紀乃が…他の男と楽しそうだと……
いや…かも…」
わがままでごめん…。
そんな俺を見て、呆れ返っているのかしばらく亜紀乃は固まったままだった。
ああ…
やっぱり…
姉貴が言ってた事の方が正しいのかな…
「学っ…私っ…」
突然声を震わせた亜紀乃の事を不安になりながら俺は見つめた。
「…すんごい…学が好き…」
トクンと、心臓がまた跳ねた。
「なんかっ…息が出来ない…っ」
「…え?」
それって…大丈夫なのか…?
「苦しくてっ…なんかっ…本当にっ…」
「……部室に酸素があるから取ってくる」
確かマネージャーさんのロッカーの隣のところに…