寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
いや…まずいな…
こんな考えてる場合じゃない…
とりあえず、俺が落ち着かなきゃな…
ガシガシと頭を掻いた俺は、フッと息を吐いて走る準備をした。
「待ってっ…!違うっ!」
「……すぐ戻るから」
「だっ…だからそうじゃなくてっ…」
亜紀乃はそう言いながら、俺の腕を掴むと、プッと何故か吹き出して、楽しそうに笑った。
「亜紀乃…?」
笑った…
俺といるときでも…楽しいって…
思ってくれてるんだろうか…
「学のことがっ…好きすぎて、苦しいのっ…!息が出来ないのっ…!」
え……
俺のことが好きすぎて苦しい…?
「……それって…俺…どうしたらいいの?」
苦しいのは解放してあげたいけど…
それは、亜紀乃が俺のこと好きじゃなくなるってことな訳で…
え…
どうしよう…
それは
いやだな……