寡黙男子
第2章 はじめの一歩から *学の世界*
丁度良かった。
平沢さんの名前を聞いてもう訳分かんないくらい身体が熱かったから。
「先輩…?」
「……なに?」
「なんか…いつにも増してぼーっとしてますね」
いつにも増して…ね。
別にぼーっとしてるつもりはないんだけど。
「………そうかな」
人の言葉を噛み砕いて消化して、そして考えて…
そのせいなのか、
俺はみんなみたいにスラスラ会話もできないし、ぼーっとしてるとか寡黙呼ばわりされる。
頭の中じゃ結構話してんだけどなぁ…
「美羽(みう)ちゃん、学、恋してるらしいよ!」
「えっ!? 学先輩が、ですかっ…!?」
あぁ、鯉じゃなくて恋か…。
パッと頭の中の鯉の池が儚くなくなっていった。
って、恋?
「………そうなの?」
「いやいや、そうなのって…お前の話だからっ!」
クッと笑って背中を屈める達也をじっと見つめた。
恋って…
「…………誰に…?」
俺の質問に、達也は笑うのをやめて、目を丸くした。
平沢さんの名前を聞いてもう訳分かんないくらい身体が熱かったから。
「先輩…?」
「……なに?」
「なんか…いつにも増してぼーっとしてますね」
いつにも増して…ね。
別にぼーっとしてるつもりはないんだけど。
「………そうかな」
人の言葉を噛み砕いて消化して、そして考えて…
そのせいなのか、
俺はみんなみたいにスラスラ会話もできないし、ぼーっとしてるとか寡黙呼ばわりされる。
頭の中じゃ結構話してんだけどなぁ…
「美羽(みう)ちゃん、学、恋してるらしいよ!」
「えっ!? 学先輩が、ですかっ…!?」
あぁ、鯉じゃなくて恋か…。
パッと頭の中の鯉の池が儚くなくなっていった。
って、恋?
「………そうなの?」
「いやいや、そうなのって…お前の話だからっ!」
クッと笑って背中を屈める達也をじっと見つめた。
恋って…
「…………誰に…?」
俺の質問に、達也は笑うのをやめて、目を丸くした。