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寡黙男子

第2章 はじめの一歩から *学の世界*

やばいなぁ…
本当に訳が分かんない。
返事って何の返事だ?
はい!っとかそういうことじゃないよな…


あぁ、まずい、黙ってたらいけないよな。
でも、じゃあ何て言うんだ?
てか、もう普通に聞いてしまっていいだろうか…


「…………何の返事をすればいいの?」



俺の言葉に平沢さんは何にもないのに一瞬ズコっと転けそうになっていた。


………?貧血か?



「何って…だからっ…その…っ付き合ってくれるのか…そうじゃないのかっていう…」



付き合うって?
いつそんな話に…?というか俺がそれ言うんじゃなかったか?いやいやいや、聞き間違いか?



「………俺と、付き合いたいの?」



何故か顔をジッと見つめてくる平沢さんに胸がキュンとなった。


あ、これ、浅倉さんが言ってたやつ。


顔暑い。
絶対紅いな…。
切るのめんどくさいという理由で前髪が長いままで良かった。



「うん…もしよかったら…付き合い…たい…」



フワッと風で舞ったカーテンを眺めた。


いつもより…風が気持ちよくて…


そしてそれは突然だった。


あ…──
これは…恋だ…


直感的に……感じる──…


すると、名前のついた想いは途端に溢れ出した。


あれ……俺…
すごい…平沢さんが…


好きだ───…



「…………よろしくお願いします。」



こうして俺は初めて彼女というものが出来た。

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