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寡黙男子

第2章 はじめの一歩から *学の世界*

そして3ヶ月が経った。


なのに…


俺の隣には平沢さんがいる。つまり、まだ俺は夢から覚めていない。



しかも毎回帰る時、自分の家を素通りして平沢さんの家の前まで送っている。


最近平沢さんがどんどんかわいくなっていて、物騒な世の中だから誰かに襲われてしまうかもしれないという懸念ももちろんあるけど…


主な理由は…もっと…傍に…いたいからだ。


平沢さんから『私たちうまくいっている?』という全くもって意味不明の言葉を掛けられたあと、俺たちはまた無言で歩き出した。



あぁ…あと10分もすれば平沢さんの家についてしまう…


こんな俺だからワイワイと話すことも出来ないし、何か平沢さんに出来る訳じゃないけど…それでももう少し一緒にいたいとか思うのは…


やっぱり俺のワガママでしかないよなぁ…



「あー!亜紀乃じゃんっ!」


ぼんやりとそんな事を考えていたら、後ろから平沢さんを呼ぶ声がして、俺たちは振り返った。



「亮!?」


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