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寡黙男子

第2章 はじめの一歩から *学の世界*

「くしゅんっ…」


「…………あ」



平沢さんがくしゃみをしたのをみて、俺は牛乳をレンジで温めていたのを思い出し部屋から出た。


ココアを用意しながら、顔がにやけて止まらない。


気持ち悪いな…浮かれてないで早く持っていかないと…。


漢方も持っていこうとしたけど、ココアで飲むんじゃまるで苦行だから止めた。

扉を開けると、平沢さんは立ったままうつ向いてた。



「………これ」


「え…と…?」


「………ココア」



また、固まったまま平沢さんはマグカップの中をジッと眺める。


あ…バカだ俺。
自分がココア好きだからって人も好きだと決め付けた…。


「……ごめん」



反省しながらマグカップをまた受け取る。



「あっえっ?何でっ…」


「………ココアじゃないのにする」



確か、ホットレモンみたいなのもあったよな…



「どっ、どうして?」


「…………だって、じっと見たまま飲まないから。嫌いなんでしょ?」



こういう気が回らないところは、末っ子だからなんだろうか…

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