テキストサイズ

寡黙男子

第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*

バカだなっ…私…


仕方ないことなのに…──



「わっ、分かったっ!OKっ!頑張ってねっ!」



思ったより動揺してる自分に呆れる。



でもさ…
一緒に帰るって…唯一学と二人でいれる、私にとっては1日の一大イベントな訳で…



「……………亜紀乃…」



うつ向いていたら、学が優しい声で私を呼んだ。



「…………ごめん…」



あぁ、謝らせちゃった…
全く学は悪くないのに…



「いやっ…仕方ないじゃんっ…私、全然大丈夫だから!」


「…………そっか…」



少しだけ気まずい空気が流れた。



あっ…待って…



どこかに行こうと方向転換をした学のブレザーの裾を


私は反射的に掴んでしまった。



「…………なに」


「あっ…あの…。全然私は平気だけど…その…どれくらいの期間…一緒に帰れない?」



「………再来週の日曜日に公式戦だから…」



再来週…てことは…



「……2週間?」



座りながら、学を見上げながら尋ねたら、学はコクンと頷いた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ