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寡黙男子

第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*

2週間…長い…


いやいやいやっ…
毎日学校で会ってるし!
席も前後だしっ!
帰れなくなるくらいで大袈裟だよね…?



「っ…了解っ!頑張って!」



無理矢理の笑顔を学に向けたら、学はまた固まって黙ってしまった。



「学…?」


「…………気を付けて」


「え?」


「…………暗く…」



暗く…?
言葉の続きがあると思って黙っていたけど、学はまた何も言わなくなってしまった。



「学…?何言い掛けたの?」


「いや…ごめん…何でもない」



学はそれだけ言って、今度こそ、どこかに行ってしまった。



何を言い掛けたんだろう…。それにしても…やっぱり…2週間は寂しいよ…。



「亜紀乃さ…」


「……なにぃ…?」



溜め息をつきながら、奈央の方を見たら、何故か呆れた顔をしていた。



「いつもあんな焦れったぁあい、まったぁありな会話してるの…?」


「え…?いや…」


「へっ、じゃあ二人きりだと饒舌だとか!? 」


「んと、じゃなくて…、基本…あんまりしゃべらない…から」

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