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寡黙男子

第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*

うっと声を詰まらせる奈央に私は大きくため息をふりかけた。


こんなに不安だらけのまま、2週間も帰れないなんて、私大丈夫かな。



「うわぁああぁんっ!」


「相変わらずうるさいねぇ。お前はっ」



えっ──?



突然の暴言に顔をあげる。



「なっ、亮っ…!なんでいんのよっ!」


「またそうやって俺をうざそうに…ほんとに俺泣くよ?」



にへらにへらと今日もチャラついている亮が金髪を靡かせて大げさに泣き真似をしてみせる。



「あ、亮くん、久しぶり〜」


「ういっ!奈央ちゃん!」


「ちょっ!何の用なのっ!? ちょっかい出しにきただけなら帰ってよ!」

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