寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
「なんか、こんなに付き合わせちゃってごめん…」
「え〜亜紀乃が謝ると珍しいぃぃ〜もっと謝って〜」
「ばかっ!」
真っ暗な靴箱で靴を履きながら、私は亮の事を叩いた。
本当にすぐ調子に乗るからめんどいわ…
謝ったことに後悔しながら、外に出ようとしたら、
やべっ…予想外っ!
と亮が後ろで呟くのが聞こえた。
「は?亮今なんて──」
暗闇で、よく分からないけど
突然強く身体を抱きしめられた感覚がして私は声が出なくなった。
「亜紀乃っ!好きだっ!」
はい───!?!?
何言ってんの!?
さっき散々梨子ちゃんとの惚気を聞かされてたんですが!?
「亮頭大丈夫…?」
「ダメっ…お前のことが好きすぎて、最近イカレてきたっ…」