寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
何をからかっているのか…
「ちょっと本当にいい加減に───」
「俺…マジだから」
静かな亮の言葉に、呆れて言葉が続かなくなった。
梨子ちゃんへの一途さに、見直したとか思ってたけど、
やっぱりこいつは根っからのチャラ男だ。
こうやって何人もの女を他でも口説いてるに違いない。
「亮?私は──」
「ずっと好きだった」
「はえ???」
グググと強まる亮の腕の力に息がつまりそうだ。
「あんな嫉妬もしてくれないような奴やめてさ…
俺にしろよ…」
身体を離して、今度は顔を近付けてくる亮にビックリしてもがく事も出来ない。
初めてみる、亮の真面目な顔に不覚にも心臓がドキドキいっている。
亮って私のこと好きだったの?
そんなっ…でも…
私には…
──────名前で…呼んでいい?
──────ありがと…亜紀乃…
大好きな彼がっ…