寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
「私も行くっ…!」
そう言って、私は後少しで解けそうだった学の手を再び掴んだ。
「……………」
何も言わない学に、いつもの事だけど、恥ずかしさが募る。
一緒に教室に行くとしたって、別に手を繋いでいる必要はないのに、
私、やっぱり、変…だよね…
どうにか思われるのが嫌で、私はゆっくりとまた、その手を解こうとした。
けど
「………うん」
学が握り返して来たことによって、それは阻まれた。
夜の学校に、
二人だけで、
手を繋いで、
教室に向かう。
ワクワクしてて
ドキドキしてるのは
私だけじゃないと
いいな…