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寡黙男子

第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*

片手で、机の中に手を入れる学。


うっすらとグランドの光りが窓から入って来ていて、私の大好きな学の背中を照らしていた。


少しだけ、
本当に少しだけ、バレないように学に近付いた。



「………あった………」


カランと音がして机から顔を覗かせたのは、私が学に誕生日プレゼントとして上げた、キーホルダーだった。



「あれ?それ、どうしたの?」


「……付けるところが壊れたから」


「えっ…?」


「家で直そうと思って」


「あっ…そうなんだ…」



忘れ物って…これだけ…??



「………ごめん…帰ろう」



何のごめんなんだろう…



「ねぇ…あの…いいんだけど…
別に…明日でも良かったんじゃない?」


私はてっきりお弁当箱とかを忘れたんだと思ってたから…

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