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寡黙男子

第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*

しばらく黙った学はまた、私の手をギュッと握り返してきた。



「………ダメだよ」


「………」


「……亜紀乃に…もらったものだから…」


「っ………」



予想外の言葉に、少し収まったと思っていた心臓がまた暴れ出した。

何事っ!?!?

昼あんなに絶望させてきたのに…



「ねぇ…学…?」


歩き始めた学のことを私は引き止めた。


真っ暗な廊下。
窓からの光は届かない。



「…何…?」



あのね…?

本当の事を…



「亮に…嫉妬してたの…?」



教えてほしいの…

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