寡黙男子
第3章 二歩目を探る *亜紀乃の世界*
少し、首が痛いけど…
そんなの全然我慢出来るから、このままずっと抱き締めててほしいなんて…言ったら、
学はどうする…?
「……苦しいけど…暗いから…」
「うん……」
暗い…って…確か昼も言ってた…
「……亜紀乃が安全に帰れるなら…」
えっ…?
学にしては、いつになく饒舌なんだけども、文脈が欠落しててよく分からない…
「……だけど…やっぱり…無理…」
「学…あの…ちょっと…言ってる意味が…」
「亜紀乃……」
そうやって、
学に呼んでもらうのすごく好き。
「何…?」
暗くて表情見えないけど。
でもきっと明るくても前髪で見えない…のかな…