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寡黙男子

第4章 二歩目を探る *学の世界*

「ちょっと!はっきり言いなさいよ!ヤキモチやきなの!? そうじゃないのっ!? どっちっ!?」


……どっちかしかないのか…困った。


俺は、“ヤキモチ”っていう感情について、聞きたかったんだけど…


黙っていると、まっなぶ〜!と陽気な声で、一番上の兄貴が、俺の部屋に侵入して来た。



「おうっと…楓(かえで)、お前まだ学のこといじめてんのかよっ」


「いっ、いじめてないよ!学が女子に嫌われないように教育してるのぉ〜!」


「本当かよ…。おい、大丈夫か?学!」



突然話を振られた俺はビックリして兄貴の方を見た。


大丈夫か大丈夫じゃないかで言ったら…



「………大丈夫」


「お前、返事遅すぎだろ…ぜってぇ大丈夫じゃねぇよ…」



苦笑いした兄貴は、俺の頭に手を乗せてくしゃくしゃと撫でて来た。






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