寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「…………ねぇ…姉貴…」
「いつも振られるからって妹に当たらないでよねっ!」
「…………ねぇ…兄貴…」
「はぁっ!? うっせぇなっ!傷えぐるなよっ!俺繊細なんだからそういう言葉も傷付くんだぞっ!」
はぁ…と俺は小さく溜め息をついた。
どうしていつもこの争いが、俺の部屋で行われるのか謎だ。
それでも、この争いを見ているのは嫌いではないけど…
「………ヤキモチって何…?」
ダメもとで、俺は小さく呟いた。
どうせ聞いてないだろうけど、とりあえず、言葉を発しておこうと思った結果だ。
「「 はぁっっ!?!? 」」
言い争いをやめて突然俺の方を見て来た兄貴と姉貴に、俺はびっくりして小さく瞬きをした。
あ、聞いてたんだ…
すごいな…
話しながら聞いてるなんて俺には出来ないよ。