寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
あわあわと慌て出した二人は顔を見合わせたあと、悲しそうな顔をした。
「お前さ…頭いいし、あんなに本読んでるのにそんなことも知らないわけ…?」
「さっきまで何を根拠に私の話に返事してたのよっ…」
「………ごめん…」
とは言っても、マシンガンのように話し続けていたのは姉貴と兄貴なんだけどな…
「例えば、学に好きな人がいるとするだろ…?」
兄貴の“好き”という言葉に、微かに血が早く巡るのを感じた。
──────────学…
あれ…
亜紀乃の事、思い出しちゃった。