寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「それで、その子がもし別の男の子とラブラブイチャイチャしてたら、お前どんな感情を抱く…?」
ラブラブイチャイチャ…
考えようにもそれ自体がまたよく分からなくて、俺はジッと兄貴を見たまま固まってしまった。
「っ……お前にはちょっと早い話だったかもしれないっ…」
諦めたような顔をした兄貴は、ハハっと笑って俺の肩を叩いた。
「とにかくだな…もしそういう場面になったら、きっとモヤモヤってすんだよ!」
「モヤモヤ…」
ラブラブにイチャイチャにモヤモヤ…
擬音語ばっかりだな…
「そう、モヤモヤすんだよ。んで、『何で俺以外の男とそんな仲良くしてんだよー!』っていう独占欲みたいのが涌いて来て…」
「あぁ〜もう本当に男ってうざいっ!」
兄貴の言葉を遮った姉貴は、そう吐き捨てて、俺のことを見た。