寡黙男子
第4章 二歩目を探る *学の世界*
「とにかく、学はそうやってヤキモチやいて、『なんで俺以外の男と話してんだよー!』とか言うようなしょうもない男にはならないようにっ!」
ドンっと叩かれて、俺はその弾みで、前に身体を倒した。
「分かったっ!?!?」
「おい楓っ…お前なぁっ…」
「………分かっ……た」
よく分からないけど、それって正直簡単なことなんじゃないかって思う。
まずモヤモヤなんて今まで経験したことないから、多分ならないと思うし…
そんな事をぼんやり考えていると、何故か、亜紀乃の幼なじみの亮の顔が浮かんだ。
そういや、亜紀乃っていつも亮と話すとき、楽しそうだよなぁ…
「学…?」
兄貴に顔を覗き込まれてまたハッとした。
あれ…なんでまた亜紀乃の事考えてんだろ…
よく分からないまま、俺は兄貴と姉貴から“ヤキモチ”なるものを教えてもらった。