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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

俺は顔を上げて直を見た

直は目を擦っていて俺は擦った目の下が赤くなるのに心が痛くなって擦っている手にキスをして手を止めさせた

擦るのをやめると涙が頬を伝っている


「直、ごめん」

「ん…っ、ぃいの…俺が…っ」



俺が?
直が?

何をしたって言うんだ


俺はそれ以上言わせないようにちゃんと正面から抱き締めた


「直、ごめん………ありがとう」

「………っ」


直は俺の肩口で小さく首を横に振った


「直?」



なんで首を横に振られたのかわからなくて顔を少しはなそうとするけど直は逆に力を込めて抱き締めてきて首筋に顔を埋めた


「違うの………」

「ん?」

「………」

「何が違うの?」


俺は次に直が発した言葉に胸を締め付けられて苦しくてしょうがなくなった

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