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息もできない

第15章 謝って欲しいわけじゃ

「春陽に、喜んで欲しかっただけ……だから………でも俺重くてーーっ!」


ちょっと……


俺は言葉を遮って直の後頭部を抑えて俺の肩に押し付けた


「可愛過ぎるでしょ」


重くてーーって言った


「許さないよ、直」


きっと俺の言葉の意味を勘違いして直は大袈裟とも思えるほどビク、と震えた


「ごめ……ー」

「だめ。重くなきゃ、だめだ。俺が悪いのに謝るなんてだめだ」

「っ…春陽ぃ…」

「うん。ごめん、直」

「何度も謝らなくていいーーー…」



それから俺たちは暫らく抱き合っていた


何分経った後直がもぞ、と身じろぎした


「?」


俺の腕の中で直は俺を見上げてきた


擦った目元が赤くなっていて昨日から泣いていたのか目は腫れぼったいし顔もむくんでいる
でもそれすら

全部可愛い


それなのに直は俺に向かって理性を試すように赤みがかった唇で呟いた


「春陽…キス、しないの?」
「……っ!」
「さっきから、手にしかキスしてくれてない」


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