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息もできない

第17章 会社に行くのです

「はい?」

何の用だろう


「突然こんなこと聞くの失礼だと思うんですけど」
「?」
「谷口さんて、『BLEATH』にたまにいますよね?」
「はい、行きますよ」
「ーで、マスターの三浦さんとも仲良いですよね?」
「はい、そうですね」

なんか
なんだろ
誘導尋問されてるみたいな、少しの不快感がある


「あの、何が仰りたいんですか?」

俺が尋ねると大崎さんはにっこりと綺麗な笑みを浮かべてスマートフォンの画面を見せてきた


「これ、私の彼氏なんです!」
「ーーーーえ?」


画面に映っていたのは、紛れもなく俺の大切な人




春陽ーーー?

この人、何言ってるんだ





頭が真っ白になりかけたけれど次の言葉で俺は現実に引き戻された


「なんて。私が勝手に好きなだけなんですけどね」


どういうことだ?
何でそれを俺に言ってくるの、この人
俺と春陽の関係に気づいてるの?


「さっき会ったばかりの人にこんなこと言われても困りますよね」
「はぁ」
「それで、お声をお掛けしたのは、谷口さんと三浦さんて仲良さそうだから、あの……」


嫌な予感がする

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