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息もできない

第17章 会社に行くのです

それまでしゃきしゃき話していた大崎さんが少し言いにくそうに黙り込んで


「私と、三浦さんの仲を取り持ってもらえませんか?」


ーーーあぁ
やっぱり、嫌な予感て当たるんだ


「私、どうしても三浦さんとお付き合いしたいんです。だから、私が三浦さんとお付き合い出来るように協力してもらえませんか?」


なぜか足元が揺れた気がした
気を抜いたらその場に倒れこんでしまいそうで
俺は必死で地面を踏む足に力を入れた


「……………」
「あの、谷口さん?」


聞いてますか?と大崎さんが少し俯いた俺の顔を覗き込んできたけど、返す余裕がなくて黙ってしまう

すると遠くの方から


「あやー!ご飯行こう!」


と俺の目の前にいる大崎綾(オオサキアヤ)さんを呼ぶ声が聞こえてきて


「ごめんなさい。私友人と約束してたんです。行かなくちゃ。それじゃあ、よろしくお願いしますね?」


思わず引き止めそうになった


待って
そのよろしくお願いしますってどういう意味?
考えておいてくれってこと?
答えていないけど、俺が協力するのは確定ってこと?

何それ



俺、どうすればいいのーー?


「はるひ……」

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