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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

ふと前を見れば


「………え?」



視界いっぱいに広がる
圭太のワイシャツ


「ちょっと圭太、なに」


さっきまで俺の肩を掴んでいた圭太はいつの間にか俺の前に立っていた


「いやぁ……ちょっと………」


圭太は罰が悪そうに頭を掻くだけでどいてくれない


「帰るんじゃないの?てか、近い」


圭太は身体が当たりそうなほど近くにいる
俺が一歩下がろうとすると


「ちょっ……」


下がった分だけぴったりついて来た
なんなのこれ


「圭太……」
「直!あの…もう一軒!もう一軒行こう」
「はぁ?」


何言ってるの、こいつは


「やだ。明日会社だし」
「有給取ろう、な?」
「そこまでして飲みたくない」


帰りたくないのかな?
でも、急に?

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