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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

「圭太、帰ろ?」


俺が1度溜息をついてから顔を上げて言うと、圭太はしきりに後ろを気にしていた


「ーーん?ぁ…あぁ…うん、帰ろう」
「………不審」
「あぁ…ごめんごめん」


圭太が掌を返して帰ると言い出してぎこちなく俺の横にスライドして行く
それも、すごくゆっくり




まるでその動きは、何かを隠すみたい



って気づいたら最後


「あっ…直!!」


俺は圭太を避けて向こう側を、見た

その瞬間

世界が止まった気がした
息が上手くできなくなって
頭も痛くて

精神的な疲労なのか
残業して疲れてるのに結構お酒を飲んだからなのか

わからない、けど

俺はその場に崩れ落ちた


だって、春陽が


大崎さんと歩いてたから



も………息、できない

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