テキストサイズ

息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

「そんで、流れで…………」


え、まさかその流れで


「ヤった……のか?」


朗は更に頬を染めて俯いたのか頷いたのかわからないほど微妙に頭を下げた


「でも朗はセックスなんて慣れてるだろ?それでなんで惚れるんだよ?」


朗は「惚れる」という言葉にぴくん、と肩を震わせて反応した


「やっぱり…惚れてる、んだろうか…」
「わかんないか?」
「……ん」


まぁいいか
朗だし、仕方ないだろ


「で?何かそこまでの魅力があったのか?」

「……圭太はさ……なんか、優しくて…」


圭太、ね
それに優しいか


直がずっと信頼してきたあいつは元からあんな酷いことするような奴じゃないんだろう
直のこと本気で好きで仕方なかったのかもしれない

今直は俺のもので手放す気になんかなれない
あいつの気持ちは変わるのだろうか


朗のこと好きになってくれるなんてことあるのか?


「それで…ー」


朗の話を聞きながら
顔立ちと似合わぬ乙女っぷりを見せるこの幼馴染の思いが中野にすこしでも伝わればいいと願った



ストーリーメニュー

TOPTOPへ