テキストサイズ

息もできない

第18章 悪いのは誰なのか


次の日
直はまた店に来てくれた

けど、その横には前も一緒にいた女の姿がある

俺とは目も合わせてくれないのにその女とは親しげに話していて、俺にはわからない仕事の話をしている


どうすればいいんだろう

誕生日の時みたいにまた直を泣かせてしまった
でもあの時と同じではいけない

直は傷つくと閉じこもってしまいがちだ
だから俺が動かないといけないんだ

俺が、傷つけたんだから



店を閉店して、夜

俺が店の戸締りをしていると


「あの」


と声をかけられた
振り向くとそこにいたのは直と一緒に店に来ていた同じ会社の女性


「こんばんは」


俺に何の用だ?


「こんばんは」
「偶然見かけて…」
「……」


偶然見かけた?
人に偶然会うと誰彼構わず声を掛けるのか?この人


「谷口さん、ってご友人ですよね?私彼の上司なんです。谷口さんから三浦さんのお話聞いていたので、なんだか勝手に親しくなったような気がしてしまって…ご迷惑でしたか?」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ