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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

あ…それさっき俺もみてたやつ


趣味が合うっていうのは結構嬉しくて
さっきまで無理矢理試着させられて少しテンションの下がっていた俺はそれだけでテンションが上がる


「試着する?」
「うん。しようかな」


春陽は周りを確認してから俺が使っている試着室に入ってきた


「はる…っ」
「しーー…」


人差し指を唇に当てて静かにってジェスチャーされる


いやでも…っ!


俺は今日臨時休暇ってだけで世間一般は平日
休日より人は少ないけど、それでも大きなショッピングモールってだけあってそこそこ人がいる


声を潜めて、出来る限り小さな声で話す


「春陽!」
「大丈夫。人いなかったよ?」
「店員さん来たらどうするのっ」
「平気平気。それより、直」


春陽は俺の胸元を大きな手のひらで撫でる


「着替えるでしょ?」
「ぇ…ぁ、着替える…けど」


ちょ、やめてぇぇ
春陽に撫でられると気持ち良くなっちゃうってば…



俺がなんとか逃れようとするけど、狭い試着室の中で逃げられるわけがない
すぐに捕まってしまった

優しく抱き締められて
外ということもあってか、鼓動が異常なほど速くなる


ど、どどうしよう!?
俺ここで死ぬ、かも……っ

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