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息もできない

第18章 悪いのは誰なのか

その声の主はもちろん期待通り春陽だった
女の人たちから助けてくれたのは良いんだけど


「わぁっこっちの彼もイケメン!2人とも一緒に遊びに行かない?」


と女の人たちは盛り上がり始めた


春陽の登場は逆効果なんだよね…


俺はさっき春陽が女の人にナンパされていた時と同じような状況に少し肩を落とした
それでまた春陽はにこにこしながら話すのか、と拗ねていると
俺の想像とは違って春陽は無表情で


「それは無理。早くどっか行ってくれない?」


と冷たくあしらった

女の人たちの上がっていたテンションは無表情のちょっと怖い春陽を見てみるみる下がっていった


春陽どうしたんだろ
なんか、怖い



俺がそんなこと考えている間に春陽の態度に驚いた女の人たちは小さく謝ってその場を去って行った


すると春陽が俺の方を振り返って微笑んだ


「じゃあ直、行こうか」


か、顔が違う…


「春陽?なんか怖かったよ?」


俺が不安になって聞いてみると春陽は少し目をそらした


「仕方ないだろ。直に声を掛けるなんて許せないし」


…可愛い…


俺は座っていたベッドから勢い良く立ち上がって


「春陽!帰ろう!」

春陽の手を引いて歩き出した

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